Vol#2 マルチにハマった母は反ワクチン派。何を話しても聞こうとしない
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  • 執筆者の写真Rio

Vol#2 マルチにハマった母は反ワクチン派。何を話しても聞こうとしない

更新日:2022年10月14日

プロフィール

  • インタビュー相手 :Sさん(30代男性)

  • インタビュー時期 :2022.4

  • マルチ商法との関係:お母さんが現役会員(2015年~)

  • 会社(A社) :美容健康製品を提供。立ち上げから10年以上

  • 家族構成 :父、母、姉、Sさん

きっかけ

母は私が子供の頃から、占いやスピリチュアルなことに興味を持っていた。


瞑想トレーニングや、よく分からない本を勧めてくることがあったが、当時の私はまだ世の中のことをよく理解しておらず、母の言うことを素直に受け入れていた。


母は学生の頃痛めた腰に不安を抱えながら生活していた。

仕事はとある電力会社の検針員。

歩くことが多く、肉体労働で腰に負担がかかっていたのかもしれない。



2015年。母は検針員の仕事を辞めて、A社の販売員になった。


きっかけはおそらく、母が愛読していたスピリチュアルな本の発刊者がマルチ商法を推奨していたこと。

なぜ、A社を選んだかは分からない。


私は「何か変なことをしているな。しかし、母が今まで私たちのために働いてくれたのだから、やりたいことをやれば良い。」程度で、特に干渉していなかった。


自分も会員に

同時期、私も大学時代の友人から別の会社のマルチの勧誘を受けた。


私は当時の仕事に不満を持っていて、刺激が欲しかったのか、友人の誘いに乗り会員になった。


しかし、すぐに別の友人に説得されマルチの現実を知り、クーリングオフ制度を使用し辞めた。


これがマルチの仕組みやイメージの悪さを知るきっかけになった。


母の変化

その後私と姉はそれぞれ実家を離れて暮らすこととなり、母は父と2人暮らしになった。


2021年4月、私は結婚。

この頃から母は頻繁に反ワクチンを唱えるようになった。


怪しげなYouTube動画を送ってきたり、ワクチンを打った人がどんどん死んでいる、と不安を煽ってきたり。


挙式を間近に控えていた私は、ワクチンを打ったと言うとトラブルになると思い黙っていた。


しかし、母が何度も「ワクチンを打ったのか」と聞いてきて嫌になり、正直に伝えたところ、「裏切り者!嘘つき!」と暴言を浴びせられた。



2021年12月。

帰省した際、母は私たち夫婦にA社製品(Tシャツやスパッツ)をプレゼントしてきた。


これまでも何度か製品を渡してくることはあったが、私は要らないと思いつつも受け取っていた。


私の妻も嫌だと思っていたが断ることができず、受け取ってしまった。


母とのやりとり

2022年2月。


1人で実家に帰省した際、「もうA社製品はプレゼントしないでほしい」と母に伝えた。

しかし、母は「プレゼントなのだからあれこれ気にせず受け取ればいい、これは親の愛情だ」と。


どうして受け取れないのか聞かれたため、マルチの世間的な印象の悪さや危険性などを伝えたところ、


「ただ世間のイメージだけで私たちの仕事を悪く思うのは酷い。製品を使って、A社のセミナー動画を見て、製品の良さを理解してほしい。それがお互いの距離を縮める方法だ」


と言われ、話にならなかった。


他にも「そんなにA社の製品が良いならわざわざ社会問題になっているマルチ商法を使わず、普通に広告を打ち出して売れば良い」と伝えると、


母は「A社は戦略的にネットワークビジネスを採用している。広告を打ち出すにはお金がかかる。会社にはそんなお金はない。もしそのようなことになったら私たちの仕事は無くなってしまう」と言われた。


現在、母から週1回のペースで、「A社製品を使った人がこれだけ体が良くなった!」とのLINEや、ワクチンに関する記事が送られてくる。


私はそれら全てを無視している。


周りの親族の反応

最近、姉が母のLINEに賛同するような反応が見られたので、話を聞いた。


姉はA社の会員になり、月に一度製品を購入。夫婦で気に入って使っているとのことだった。


私がA社はマルチ商法の会社で、警察も注意喚起を行うほどの社会問題になっていると伝えると、


姉は「母は健康でなければ仕事も日常生活もつまらないと身をもって経験している。A社製品を使ってよく休んで欲しいという、親の想いは分かってあげて欲しい。また、父も今は仕事しているが、父と母が家に2人でいたらボケてしまう。だから、マルチの話は別として、何か人との関わりや生きがいがないと人間ダメになる。」と話している。


父は現在も平日仕事をしており、マルチにあまり興味がない。


今の心境

母はマルチでお金を稼ぐことよりも、製品の良さを理解してもらうことに必死で、こちらが何を話しても聞こうとしない。


製品を溺愛しているので、マルチでは稼げない、世間の印象が悪いと伝えても、あまり意味がない。


一方姉は、親の思いを汲んで製品を購入しているようだが、その優しさが逆に母親のマルチへの依存度を高めてしまっている。それに早く気づいてほしい。


本コミュニティへの参加を通じて、私と似た悩みを抱えている方が多いことが分かった。


どの組織も同じような方法で会員を洗脳させている。


また、相談者と会員との関係性によって、距離感や接し方を変える必要がありそうだと感じている。


今後は、下記を実施していきたい。

  • 姉や父に、マルチの危険性を伝え、理解を得る

  • 母には淡々と製品は要らないと伝える。状況を見てマルチの危険性などを伝える

  • 母はマルチ以外に自分がこれからできる仕事はないと思い込んでいる。60代で腰の状態も悪化しているので、できる仕事は限られているが、何かないか探してみる

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